🌊 概要
『フィンスパン(Finspan)』は、プレイヤーが海洋生物学者となって、色鮮やかな浅海から謎に包まれた深海までを探索し、さまざまな魚を観察・研究していく海洋テーマのエンジンビルド系ボードゲームです。
プレイ人数は1〜5人、実際のプレイ時間は約60~90分(カタログは45分~60分)。
カードをプレイして魚を発見したり、卵を育てて魚の群れを形成したりしながら、4週間にわたる海洋調査を行い、最高の研究成果を目指します。
ウィングスパンが海洋テーマで新たに登場です。
🐠 一言で言うと?
「海の中を潜って生き物を観察!自分だけの海洋を構築する“エンジンビルド系ボードゲーム”!」

🧩 基本情報
項目 | 評価 |
---|---|
プレイ人数
ベスト
適正
|
|
BGGレーティング | 7.8 |
発売元 | アークライト |
価格 | 7,700円(税込) |
ジャンル | エンジンビルド、リソース管理、セットコレクション |
スリーブ |
57 x 87
数量 152
|
🎯 目的
プレイヤーは、手札から魚カードをプレイして自分の「海(ボード)」を構築し、ダイバーを潜らせてボーナスや魚の能力を活用します。
魚を重ねて食物連鎖を再現したり、卵→稚魚→群れと成長させて得点化したりと、複数の方法で得点を稼ぐのが目的です。
🏆 勝利条件
ゲーム終了時、以下の合計点で最も高いプレイヤーが勝利します。
- 魚カードに記載された得点
- 卵・稚魚(1点ずつ)
- 群れ(6点)
- 消費された魚(1点ずつ)
- 魚の特殊能力によるゲーム終了時効果
🐟 フィンスパンはどんなゲーム?
フィンスパンでは、魚カードをどう配置するかが極めて重要です。
🔹 同じ列に配置された魚が、ダイバーの移動によって能力を発動したり
🔹 小さな魚を「捕食」するように大きな魚を重ねてプレイしたり
🔹 卵を孵化させて稚魚に、さらに群れに育てて高得点を狙ったり
…というように、海の中での生態系や食物連鎖をモチーフにしたアクションが展開されます。
また、魚には様々なタグ(捕食者、発光、電気など)があり、それらを組み合わせることで追加得点を得る要素も。
研究対象として海洋生物を観察している感覚が強く、自然と知的好奇心をくすぐられるプレイ感があります。
コンポーネント










《内容物》
海洋マット:5枚、業績ボード:1枚、業績タイル:9枚、魚カード:125枚、初期魚カード:10枚、潜水士コマ:30個、卵/稚魚トークン:90枚、群れトークン:40枚、スタートプレイヤーマーカー:1個、週マーカー:1個
ルール
🔸 準備
共通の場
- 魚カードを用意
- Ⓐ 125枚の魚カードをシャッフルし、山札として中央に置きます
- Ⓑ 初期魚カード(10枚)は別でシャッフルして、後ほど配布に使います
- 卵/稚魚/群れトークンを配置
- Ⓒ 卵と稚魚(表裏で1枚)、群れトークンを共通の場に並べておきます
- 実績ボードを配置
- Ⓓ 初心者がいる場合は「Side A」を使用(実績は固定)
- 慣れているプレイヤーばかりの場合は「Side B」(週ごとにランダムな目標+ボーナスあり)

プレイヤーごとの準備
- 海洋マットを受け取る
- Ⓐ 各プレイヤーは自分の“海”を表すマットを1枚ずつ受け取ります。
- 初期トークン配置
- Ⓑ 各マットに印刷された箇所に、卵2個・稚魚1個を配置します(卵と稚魚は魚にのせます)。
- 魚カードを受け取る
- Ⓒ 初期魚カードを2枚、通常の魚カードを3枚、計5枚を表向きで自分の手札として持ちます。
- Ⓓ これらの手札は常に公開情報です。
- ダイバー(アクション駒)を受け取る
- Ⓔ 各プレイヤーは自分の色を選び、その色のダイバー6個を受け取ります。
- スタートプレイヤーを決める
- Ⓕ ランダムで1人選び、スタートプレイヤーマーカーを渡します。

🔸 プレイの流れ
ゲームは4週間(ラウンド)構成で、各週に6ターン(アクション)を行います。つまり、全体では各プレイヤー24ターンです。
(A)魚をプレイする
手札から魚を1枚選び、そのコストを支払うことで自分の海洋のスロットに配置します。これは、自分の海洋でこの魚の発見を表しています。
魚のプレイは次のステップで行います。
- ダイバーを左上のプレイマスに置く
- アクションの使用を示します。

- 魚カードを選び、コストを支払う
- コストは以下のいずれか、または組み合わせです:
- 手札のカードを捨てる(コストとして)
- 卵や稚魚を支払う(場から支払う)
- 他の魚を「捕食」する(小さい魚に重ねる)
- コストは以下のいずれか、または組み合わせです:


- 魚を自分の海に配置
- 魚には「配置できるゾーン」があり、指定された深さ(サンライト層、トワイライト層、ミッドナイト層)や列にしか配置できません。

- 「プレイしたとき」能力を解決します
- 一部の魚は配置時に即時効果を持っています。

魚カードの例

✅ 補足
・稚魚を3つ同じスポットに集めると、自動的に群れに変化
・魚のサイズ差でしか「捕食」は出来ない(大きい魚→小さい魚)
・魚は「タグ」(発光・電気・捕食者など)を持ち、実績に絡むことも


(B)潜水する
潜水では、ダイビングスポット(自分の海洋の3つの縦列のうち1つ)を選び、潜水士1個を上から下へ移動してその途中で報酬を獲得する。
潜水は次のステップで行います。
- ダイバーを選んだ列の上部に置く
- オーシャンマットには3列(ダイビングスポット)があり、どの列に潜るかを選びます。

- 各ゾーンを下りながら処理
- サンライト層⇒トワイライト層⇒ミッドナイト層 の順に処理。
- 各ゾーンで以下の効果が発動する可能性があります:
- ダイビングスポットトのボーナス(カードを引く、卵を置く、稚魚に育てるなど)
- 魚カードの「起動した場合」の能力


- 最下部に到達したら、ボーナスを獲得
- その週にその列で初めて最下層まで潜ったなら、底のボーナスを得られます。

6ターン繰り返すと各週の修了処理へ移ります
- その週の実績による得点計算
- 例:卵1個=1点、群れ1つ=6点など、タイルに書かれた条件で得点します。
- Side Bを使っている場合は、最も実績得点を取った人にボーナス+3点!
- 全員のダイバーを回収
- スタートプレイヤーを次の人に渡す
- 次の週(第2週など)へ進行

🏆得点計算
🏁 ゲーム終了(第4週終了後)に、以下の最終得点計算を行います:
もっとも得点が高いプレイヤーが勝利!
- 魚カードに書かれた得点
- 卵と稚魚(1点ずつ)
- 群れ(6点)
- 捕食された魚(1点)
- ゲーム終了時能力(黄色の“GAME END”効果)

魅力と面白ポイント
✅ 多層的なリソース管理とジレンマ
魚カード、卵、稚魚、ダイバー——限られた資源をどう使い、どこに集中させるか。
カードプレイかダイブか、毎手番の選択が悩ましく、戦略性と達成感のバランスが絶妙です。
✅ 美しいコンポーネント
魚カードには学名や生態の豆知識が添えられており、眺めているだけでも楽しめます。
海をテーマにした美麗なアートと、触って気持ちいいトークンがプレイ体験を豊かにします。
✅ 毎回違う展開と多彩な戦術
魚の能力・配置ゾーン・タグの組み合わせ、週ごとの実績タイルにより展開が毎回変化。
群れ化による爆発得点やダイブのルート構築など、多様な戦術が生まれます。
📝 感想
フィンスパンの魅力は、「魚カードをプレイする判断」と「ダイバーによる潜水アクション」の2つのアクションをどのように組み合わせて実行するかが悩ましいです。
「この魚を出したいけど、コストにする他のカードも惜しい…」
「この列に潜れば群れが作れるかも。でも別の列のボーナスも強い…」
といった短期的なメリットと中長期的な得点効率を天秤にかけるプレイ感が非常に濃密です。
特に、魚カードのプレイ時に小さい魚を「捕食」して重ねる構造は、「この魚をあえて犠牲にする意味があるのか?」と毎回深く考えさせられ、カード配置のひとつひとつに重みがあります。
そして、稚魚を育てて群れに変える流れは、単なる得点手段というよりも生態系の変化そのものを楽しんでいるような感覚。
ダイビングによる「起動した場合」効果や、他プレイヤーにも影響を与える「すべてのプレイヤーが対象」系のカード効果が絶妙に絡み合い、プレイヤー同士の間接的なインタラクションも程よく感じられます。
ルール自体は意外とシンプルで、「魚を出す or 潜る」だけ。
でもその中に、
・カードのゾーン制限(浅海〜深海)
・魚のタグや特殊能力
・週ごとの目標(実績タイル)
などの要素が巧みに組み込まれており、一手一手が確実に意味を持つ作りになっています。
また、魚カードに記された生態の豆知識や学名、アーティスティックなイラストも素晴らしく、眺めているだけでも癒されます。ボード上がまるで海の観察記録のように仕上がっていくのは、このゲームならではの体験です。
1人プレイから5人プレイまで対応し、プレイ人数によって最適戦略が変わるのも高評価ポイント。
1人では自分の海をじっくり構築、複数人では他プレイヤーの行動や群れ競争を意識しながら立ち回る——
と、状況に応じて楽しみ方が変わる懐の深さがあります。
終盤、計画通りに群れが形成できたり、大型魚で一気に得点を稼げたりしたときの達成感と爆発力も心地よく、毎回新しい展開が生まれるのも飽きないポイント。
「海洋生物×パズル×戦略」のユニークな組み合わせが光る、
癒しと深みを両立した“知的な潜水ゲーム”です。
スリーブ「カードサイズ・枚数」
FINSPAN の スリーブ「カードサイズ・カード枚数」はこちら
カードサイズ:57mm×87mm(ボードゲームサイズ)
カードの枚数:152枚
おすすめは以下の製品です:
商品 | ハードスリーブ |
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![]() | おすすめ スリーブ ボードゲームサイズ・ハード |
![]() | Engamesスリーブ ブリッジサイズハード 59*90mm |
商品 | ソフトスリーブ |
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![]() | ソフトスリーブ ボードゲームサイズ |
![]() | Engamesスリーブ ブリッジサイズソフト 59*90mm |
![]() | CAC-SL57 両表面エンボスマットスリーブ ボードゲームサイズ・ソフト |
評価

指標 | 点数 | コメント |
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ゲームバランス | 8 | 戦略・運・インタラクションのバランスが非常に良好です。カードの引きに左右されすぎず、配置の工夫やダイブのタイミングで十分に挽回できます。強力なカードにも重いコストがあり、暴走しにくい点も◎。 |
リプレイ性 | 8 | 魚カードの種類が豊富で、タグや能力の組み合わせが毎回変わります。また、週ごとの実績タイルや異なるゾーン配置により戦術も変化。ソロ〜5人まで対応し、プレイ人数に応じた体験も楽しめるため、高評価。 |
爽快感 | 7 | 一手一手が重めで、じっくり系のゲームですが、 ・魚を重ねて得点化する瞬間 ・稚魚がスクールに変わる瞬間 ・特殊効果が連鎖する瞬間 などには爽快感あり。ただし、爆発的なコンボ感はやや抑えめ。 |
ゲームテンポ | 7 | 1手ごとの選択が多く、特に中盤以降は考える時間が長くなりがち。ダイブアクションの処理も手順が多めで、初回プレイではテンポがやや重く感じるかもしれません。慣れればスムーズ。 |
コンポーネント質 | 8 | 魚カードのアートワークは非常に美麗で、トークン類も視認性・テーマ性ともに優秀。プレイヤーマットやアイコンの設計も丁寧。テーマとの一体感があり、世界観に入り込めます。 |
盛り上がり度 | 7 | 「他人に直接干渉する要素」はほぼなく、静かな盛り上がり方です。ただし、 ・実績タイルの争い ・タイミングを見計らったスクール形成 ・レア魚のプレイ など、局所的な盛り上がりは十分にあります。中級者以上だと読み合いも生まれやすいです。 |
テーマ没入感 | 10 | このゲームの最大の魅力とも言えるポイント。 魚の名前・学名・解説・生態タグが自然にプレイと結びついており、「カードを出す=その魚を観察・研究している」感覚がしっかり味わえます。教育的でありながらエンタメ性も損なわない設計は見事。 |
プレイの起伏 | 7 | 前半は準備フェーズ、中盤以降に稚魚→スクール化や大型魚プレイが加速し、後半の点数の伸びが一気に上がる構成。4週間で明確にゲーム展開が変わるため、起伏が感じられます。 |
劣勢からの巻き返し要素 | 7 | 途中でリソースを溜め込んでおけば、後半に大型魚や連鎖得点で逆転可能。実績タイルの得点ボーナス(特にSide Bの+3点)も逆転に貢献。ただし、リカバリーには戦術の切り替え力が求められるため、やや中級者向け。 |
収納性・セットアップ | 6 | コンポーネントが多く、特にカード・トークン類の仕分けに少々手間がかかります。インサートや整理ボックスがあると便利。ゲームの準備に時間がかかる印象は否めません。 |
項目 | 評価 |
---|---|
デザイナー | David Gordon (I), Michael O’Connell (II) |
アート | Ana Maria Martinez Jaramillo, Mesa Schumacher |
受賞歴 | なし |
プレイ人数
ベスト
適正
|
|
発売元 | アークライト |
価格 | 7,700円(税込) |
ジャンル | エンジンビルド、リソース管理、セットコレクション |
スリーブ |
57 x 87
数量 152
|
収納






アップグレード品(トークン、オーバーレイ、インサート)
FINSPANには、アップグレード品はございませんでした。
サマリーシート
FINSPANには、サマリーシートはございませんでした。
コメント